もさくネコのセミリタイア生活

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【読書感想】「大人に必要な読解力が正しく身につく本」吉田裕子/わかると嬉しい、楽しい

reading comprehension

 今回は、だいわ文庫「大人に必要な読解力が正しく身につく本」(吉田裕子(著))の読書感想です。

 

結論

  • ライブドアニュースの”ざっくり言うと”の部分は要点把握の参考になる。
  • 感情的な文に対しては、本題を見抜こうとする姿勢を持つ。
  • 本題を見抜くには、情報の分解、相手の不満の選定、理由の考察、本題の作成、という順で行うとよいと思う。
  • 体調を整えることは、読解力の土台。

目次

基本情報

 

著者は、吉田裕子さん。現在は、大学受験Gnobleで国語講師として活動されています。

「国語を学ぶことを通して感受性と対話力を磨いたら、人生はもっと楽しい。」

それが私の信条です。

国語講師・吉田裕子の活動理念 - 国語教師・吉田裕子WEBサイト (infinity0105.com)

本著の冒頭では、「もしかして、文章を読めない人が増えているのではないか?」と問題意識を持ったことが執筆の動機であると述べられています。

ビジネス書はマンガ版でないと読めない人、仕事の場面でメールに書かれたことを口頭で説明しないと伝わらない人などを実際に見聞きした経験から、上記の考えに至ったようです。

内容は大まかに

  • 要点発見のコツ
  • 読解の三大ポイント
  • 文章の図解化
  • 必須のリテラシー
  • 読解力の伸ばし方

が述べられています。

文庫本ですし、なにより内容が整理されていて、すごーく読みやすいです。

読解力は、生きるうえでの基礎的な能力だと思いますので、新社会人はもちろん、すでに社会人生活を送られている方、現役の学生にも有益な内容だと思います。

読もうと思った理由

ブログ記事の質を高めたかったからです。わかりやすく、簡潔な内容の記事を書きたいということです。

個人的見どころと感想

読解力には様々な能力が含まれますが、ここでは

  1. 要点把握
  2. 感情的な文章から本題を見抜く

の2点を取り上げます。

要点把握に最適なライブドアニュース

本著では要点把握に関して、ライブドアニュースのサイトが参考になると述べられています。

主要ニュース - ライブドアニュース

こちらの「主要ニュース」カテゴリーの記事には”ざっくり言うと”というスペースがあります(全部ではありませんが)。そこでは、3行で記事内容を簡潔にまとめています。

これが、要点把握の練習に最適なのです。自分の要約とプロの要約を比較し、推敲してみると良い練習になると思われます。

記事によりますが基本的な構造は、

  1. 話題
  2. 結論
  3. 詳細や余談

という並びになっているようです。

ただ、見出しで結論が述べられている記事の場合は違う構造だったりするので、臨機応変に行う必要があります。

感情的な文章には、本題を見抜く姿勢が大事

twitterなどのSNSでは、攻撃的な文章を目撃することが時々あります。

男ってどうしてここまで気がきかないん?こっちがどんだけ尽くしてやってるか、全然気づいてないっていうね。

「夕食いらない」って電話しただけで「オレえらい」って思ってんの、マジ3歳児。

この残った夕食はどうしたら良いか教えて欲しいなぁ?節約しろっていうのどの口~?(p124)

本著では、上記のような感情的な文章には、本題を見抜く姿勢が大事だと述べられています。

攻撃的な返答は、もちろん事態を悪化させます。

かといって、表面的な内容だけ汲み取り、自分は気付いていることをアピールしたり、残った夕食の処理方法を丁寧に伝えたりしようものなら関係悪化は免れません。

ここでの本題は、

急に夕食いらないと言われるのは迷惑。だから、やめて欲しい。(p126)

であると本著で述べられています。

一発で見抜ける人も多いでしょうが、私のような人間は型を用意しなければ見抜けません。

本題を見抜く手順として、

  1. 情報の分解(気が利かないこと、電話、夕食の処理方法・・・)
  2. 相手の不満の選定(電話が不満っぽい)
  3. 理由の考察(せっかく夕食作ったのに台無しだもんな)
  4. 本題の作成(こちらの都合で、せっかく作った夕食が台無しになること)

の順番で対応していくと良いと考えました。

対面では難しいですが、文章なら上記の方法を行えそうです。

 

また、本題が判明した後は

  • 改善案の検討(早めの電話等)
  • 改善困難なケースの対応検討(急な残業等の発生可能性を事前に話す、余った夕食を朝食に回す等の対応検討)
  • その他(日頃からの不平不満が見られるため、雑談がてら話し合い等。そもそも両者の間で意思疎通が十分に行われていなさそうなので)

ということを行うと良さそうです。

お客様のクレーム対応や謝罪の場などで、本題から外れたことを言うのは致命傷ですので、身につける優先度は高いですね。

まとめの感想

もっとそもそもなことを述べれば、読解力の土台は、体調を整えることだと考えます。頭が働き、整理しながら読めますし、感情的な文章に対しても冷静に対処しやすいです。

そのうえで、本著で述べられた力を身につければ心強いでしょう。

本著では、紹介した以外にも文章の図解化・構造化や、読み間違いやすい漢字チェック等があり、総合的な読解力向上に有益なコンテンツが目白押しです。

文章がわかるだけでなく、人と人とがわかり合うために必要な力も身につく、おすすめの1冊です。